髭【ねむらない】本当の髭、これがやりたいことだったのか!!
昨年、髭がアルバム、【ねむらない】をリリースした。
これはただのアルバムでは無い、髭結成当時からプロデューサーとして、そして近年ではギタリストとして活躍していた、アイゴンこと會田茂一、そしてオリジナルメンバーである、川崎"フィリポ"裕利の脱退。そして自主レーベルの設立と今までの髭とは一線を画した状態でリリースされたものなのだ。
前作はシングルカット曲しか聞いてない私が言うのもあれだけど、これが本当にやりたかったことなのか、須藤!!と言いたくなってしまう今作。
前述のとおり難しい場面でのリリースにも関わらず、いつも通りの髭、髭って須藤のバンドだったんだなって思わせるアルバム。
M1「ジョゼ」
ピアノの旋律からはじまる、いきなり「戦争でみんな死んだ」と歌いだす、とてもアルバムに1曲目とは思えないこの楽曲。
仮にも新生髭を印象付けるアルバムの1曲目から戦争、死んだというネガティブなワードを並べる辺り、須藤らしいひねくれ。
M2「ネヴァーランドクルージング」
1曲目とはうって変わり、ファンキーな曲調、須藤の声にはリバーヴがかかっていて、声は添え物みたいな雰囲気にみちみちている、ベースミュージックといってもいいかもしれない、「ネヴァーネヴァーネヴァーネヴァーネヴァーマインド」とは須藤自身が敬愛する、カートコバーンのことを思って歌っているのだろうか。
M3「なんて素敵でいびつ」
「青空」を彷彿とさせるバラード、ここまでの構成、流れがまったく読めない感じも髭って気がする。
M4「S.S」
アップテンポな今はやりのシティポップ風味な曲、この曲の須藤の声はなんか普段と違う気がする、ちなみにタイトルS.Sとはスティーブン・スピルバーグのことである。
M5「テーマ・フロム・ダリア」
これこそ新生髭の真骨頂になって欲しい曲、ドストライク。
クラブで流れてても全くおかしくないし、間奏なんてクラフトワークですかって思っちゃうぐらいテクノ感がある。
2分過ぎからのダリアの連呼と共に色々な音が混ざってく感じ、カオスというかこの2分過ぎからの流れが素晴らしすぎてここだけループしたい、髭聞く人とちょっとずれてるだろって曲だけどそれがまたいい。
M6「檸檬」
やっと従来の髭っぽい曲が、キャッチーな音像に、須藤のいつもの感じの声、これもやっぱりやってくんだなって感じの曲。
「若さあふれるしゅわっしゅっわー、遠くにきたーニューハンプシャー」
M7「ing」
歌い出しの歌詞がこれ
パンキッシュ パンキッシュなミュージック
ブルージー ブルージーなミュージック
ドクロのロックンロール・ミュージック
そして全体的にノイズがかかってる打ち込みじゃないんだろうけど、打ち込みというかテクノな感じに聞こえるこの曲。
やっぱり髭ってオールラウンダーなんじゃないかって、この羅列してるジャンルをすべて入れ子にして混ぜて作り出したいのが髭ワールドなんじゃないかってそんな決意表明な気がするんだよね。
M8「彼」
またしてもバラードなのかなと思いきや転調後グランジな感じへ、歌詞は完全にふざけてる、そしてまたゆったりとした雰囲気に...もうこれなんだろうな。
M9「イノセント(What's going on)」
これも決して複雑な構成じゃない、簡単な構成なんだけど、サビの掛け合いが凄いキャッチーな曲にしてる。終始須藤の声が印象に残る楽曲。
M10「闇をひとつまみ」
これは良いアンセムになる、歌詞のイメージが強烈すぎる。
やっぱり髭にとってネガティブなことを歌うっていうのは逆にポジティブに向かってるんじゃないかなと思う。
なんだろう、この曲でも「死にたい、死ねない」とかって言ってるけどやっぱりそういうことを出すことによってポジティブというかブラックジョーク的な遊びがあるんだと思う。
このアルバムとても良い、髭ってここまで出来たんだって感じさせるアルバム、ってか絶対「ing」は今後の決意表明を歌った歌だと思う。
そして今までより圧倒的にバリエーションが増えてる、なんかxxxdbとかの曲しか入ってないアルバムとかも出してたけどだいぶ前に。
そういったバリエーションじゃなくてこういったことも出来るんですよって出してそれをまたごちゃまぜにさせることによってリスナーは訳わかんなくなってそれが髭ワールドって解釈しました。
うん、ほんとこれから楽しみだし、M2,M5,M7路線の曲は絶対はまると思う、須藤の声にぴったりだし。
ってか須藤はこういう楽曲をやりたかったんじゃないの、ほんとは。
髭 『S.S.』 (Official Music Video)
残念ながらYoutubeには私のおすすめたちはありませんでした...予想だいぶ外れちゃうんだけどな...