最近の生活と未来の自分に力を借りた男の話
最近自堕落な生活を送っている気がする。
月曜日から相席屋で出会った女の子たちと朝までカラオケをしたからだろうか。
仕事において良い企画が出せないからだろうか(良い企画とはなんなのだろうか)
それとも、給料日まであと15日もあるというのにもう貯金が底をつきそうなことだろうか、堂々巡りの末、ラヴクラフト全集なんぞを買ってしまったものだからもう魑魅魍魎の世界から抜け出せないのである。
そこで思い出した未来の自分に力を借りればいいのだと、2017年10月にリリースしたアルバムに対し、2057年からのエールを1stトラックに持ってきた男を思い出した。
punpeeである。
加山雄三のremixから宇多田ヒカルのrimix、さらには水曜日のダウンタウンのOPなど様々な楽曲を手掛けているpunpeeがついにオリジナルのアルバムをリリースしたのだ。
さらにどういう表現手法を利用しようか悩んだ末の未来からの自分のエール。
未来の自分にクラシックと言わせてしまうのだからもはやクラシックなのである。
この表現技法憎たらしいぐらいズバっと決まっていて、もはやセンスがいいなんて言葉では表現できないほどである。
板橋のダメ兄貴ことpunpee、曲中ではKOHH、toufubeats、実弟であるslackの名を出して自分じゃなくてもいいなんてことを表現したり、スーパーマンになったり、板橋の端っこでレコードに針を落としてこれがなかったらなにをしていたんだろうかなんて自問自答を繰り返す、まさに映画のシナリオのような展開に聞いているこちらも映画の中に入ったような気持ちになる。
物語に入っていくようなこの作品、ヒップホップを知らないやつにもハードルが低いし、知ってるやつはニヤッとするタイミングがあるし、映画が好きでもにやにやできる。
特に「親父と母親が出会ったクラブ」のあたりは最高である。
このアルバムがあれば、2057年まで生きていける、そんな超レアなアルバム。
ただpunpee自身も言っているようにこれが大切なんだぜ。