二階堂ふみの為の映画~地獄でなぜ悪い~
2013年公開、園子温監督作品。
映画を撮ることに熱中している高校生集団「ファックボンバー」が大人になってヤクザの抗争を映画として撮る。
極道・武藤組の組長・武藤大三は、服役中の妻・しずえの夢でもあった、娘のミツコを主演にした映画製作を決意する。
映画の神様を信じるうだつのあがらない映画青年・平田純と、通りすがりの普通の青年・橋本公次を監督に、スタッフやキャストは全員自分の子分のヤクザで構成した。さらに、武藤組と対立する池上組の組長で、ミツコに恋心を抱く池上純と池上組全体を巻き込んで、事態はとんでもない方向に進んでいくのであった。
上記のミツコを二階堂ふみが演じているのですが、彼女の演技が素晴らしすぎる。
まず背景を説明しておきますと、ミツコは武藤組の組長の娘、子役として一世を風靡していたが、父親母親の影響で子役をやめなければならなくなってしまう。
そんな過去を背負っているミツコだが映画主演の話が来てそれを受けるが、撮影中に男とかけ落ちる。
その後は紆余曲折あり、組長の元に戻り映画を撮る訳ですが、ミツコがほんとに七変化をする。
父親の手下から逃げてる最中に出会う冴えない男、星野源に対してはとても強くワガママに接するのに、國村隼演じる父親にはデレデレな感じ、そして長谷川博巳に映画を撮ってと懇願するとき、父親を殺された時の怒り狂う感じ、そして最後に星野源と一緒に死んでいく瞬間、これは二階堂ふみの映画だ。
他のキャストもいい味出してるけどこれは二階堂ふみの映画。
ちなみに園子温の影響受けた映画のオマージュがふんだんに入れられているらしいけどまったく分からなかった。
映画好きが好きな人が主人公の映画ってのは日本だと割りと地味な人になりやすいのはなぜなのだろうか。
例えば「桐島、部活やめるってよ」とか。
海外の映画だとジャンルは違うけど「グレイヴエンカウンターズ」とか学生が映画、映像を撮ることに関してリア充感が出るよな。
これはなぜなのか、今回は「地獄でなぜわるい」の記事だけど他の機会に書いてみたいテーマである。
例えば記者になりたい映画とか、バンドマンの映画も地味な主人公が多いよね、なぜなんだろう。