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音楽レビュー等

レペゼンを強くそして上手く主張する〜ozrosaurus ROLLIN'045〜

昨年のNWAを題材にした映画「straight out compton」これを見て私のヒップホップに対する価値観が変わった。

今まではB-Boyが好き好んで聞いている怖い曲、ギャングスタラップが幅をきかしyo yo言うだけの音楽だと思っていた、しかし、スクリーンに映る彼らは違っていた、自分たちの権利を、自分たちの存在を、自分たちを守るために、ビートに乗せ自分の思いを吐き出していたのだ、薬の売人で力を持っていたイージー・Eが恥ずかしそうに最初にスタジオに入ったシーンを今でも忘れない。

ヒップホップのバックボーンに触れた私はもっと聞いてみたい、もっと知りたいと思うようになったのだ。

そして、ヒップホップ初心者がヒップホップのアルバムを聞いてレビューをしようじゃないかと。

一発目はOZROSAURUS「ROLLIN'045」

横浜を拠点とするヒップホップグループですね、タイトルの045は横浜の市外局番です。

彼らの楽曲にはところどころに横浜を匂わす文言が登場し、実際に横浜のことを素晴らしいビートに乗せて歌っている楽曲も収録されています。

最近では山嵐やTOTALFATのメンバーが加入し、ミクスチャーバンドとして活動しているようです。

 

このアルバムはおおまかに言うと3部構成のような作りになっていると思っていて、それぞれの区切りのような形でskitを入れているのかなと。

1曲目「INTRO」から7曲目「VILI VILI」まではOZROSAURUSがもっともやりたいタイプの楽曲たち1曲目「INTRO」はこれから何が起こるか分からない不安感とワクワクする期待感を煽り、3曲目「WHOOO」のバックで鳴ってるファンファーレ的な音がとてもいい、ヒップホップの楽曲ってどんだけだみ声でMCが歌ってても後ろでループしてる音に威厳があるとトラック全体がシャキッとする印象があるんですよね。

「KOCO KOCO」は現場主義を歌った曲、そしてもっとも知名度があるらしい曲「AREA AREA」意外にもメロウなトラックだと思うんですよね、さらにリリックがとても聞いていてきもちいい「東京からやや西、潮の吹く港から」とこんな文言で横浜を言い表すなんて素敵すぎませんか。

 

そしてskitを挟み2部へと突入していきます。

2部のテーマは社会問題、ここではちょっと過激だけど直視しなければならない、社会問題を風刺しした楽曲が並んでいるのです。

9曲目の「RULE」政治に対する不満から、世界的な問題、大気汚染、チェルノブイリ、はたまたアメリカ合衆国までを名指しで批判します。これこそがヒップホップの醍醐味だと思うんですがいかがでしょうか、そういえば、ヒップホップの内省化が進んでいるという話を聞いたことがあります。アメリカのカニエ・ウエストからはじまり、現在のヒップホップは外に向いていずに中に向いていると、話がそれました。

そして10曲目の「少女A」とても過激なリリックが並んでいます、このアルバムがリリースされたのが2001年、この頃から現代と同じような問題が頻発していたのでしょうか。スチャダラパーを聞いた時も思いましたが、90年代の楽曲でもほとんど歌われている問題は変わらないっていうのは、とても恐ろしいことですよね。

 

またskitを挟み、3部に突入です。ここではBPM抑えめで素敵なトラックが並んでいます。

中でも「ROLLIN'045」は横浜を代表する楽曲といっても良いのではないでしょうか、ここまで横浜の各地を賞賛し、行きたいと思わせる曲も無いと思います。

夜明けという設定で、波音や鳥の声が後ろで鳴り響くトラックは本当に素晴らしい。

 

このアルバムを聞いて、レペゼンの価値観が変わりました。

今までレペゼン、レペゼン言い過ぎじゃないかと思っていた感があって、とりあえずレペゼン言えば良いと思ってる人ばかりなのかなと思っていましたが、045と市外局番を使ってレペゼンを言い表すのがとてもシャレていてこういう言い方はとてもかっこいいと。

レペゼンを主張するヒップホップも良いものだなと思いました。

 

 

ROLLIN’045

ROLLIN’045