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音楽レビュー等

祝・ナンバーガール再結成によせて

みなさん周知のことかと思いますが、ナンバーガール再結成。

実にめでたい。

numbergirl.com

2018年初夏のある日、俺は酔っぱらっていた。そして、思った。
またヤツらとナンバーガールライジングでヤりてえ、と。
あと、稼ぎてえ、とも考えた。俺は酔っぱらっていた。
俺は電話をした。久方ぶりに、ヤツらに。
そして、ヤることになった。
できれば何発かヤりたい。

 

再結成理由も向井秀徳っぽい。

久方ぶりに向井秀徳曰く「私の恥のアーカイブ集」である「三栖一明」を読み直しました。テンション上がりすぎて。

 

そこで今更ながら「三栖一明」の印象に残っている点を羅列。

 

この本は向井秀徳の幼少期から高校時代、ナンバーガール期、ZAZEN BOYS期と3編に渡っている。

 幼少期

幼少期から高校時代は向井秀徳の生い立ちが本人の口から語られる、ファン垂涎のものになっている。兄がいてキーボード持ってたり、ギター持っていたりとミュージシャンになる土壌はその頃から築かれていたんだなーと。

また、恋愛観に関しても語られていて、気になる異性がいると「The La's」の「There She Goes」が流れてきて、告白するとそれがどんどんしぼんできて相手と別れを告げてしまうという話が印象的。

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ちなみに告白に失敗するとかなりの制作意欲が湧いてきて、もうどうしようもないという感じで曲作りに没頭していたという。

ちなみに有名な話ではあるが、向井秀徳がバイトを始めたミュージックバーで入ってきた、帰国子女的な女子が肩にタトゥーをしており、趣味なども合ったことから交際を持ちかけたがあっさり振られた件に起因して作られた曲がナンバーガール「SAPPUKEI」収録の「TATOOあり」

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ナンバーガール期のお話は事実の羅列が多く、あまり作曲面に触れられていないのだけれど「School Girl Addict」までは本当に衝動的に曲を作っていたのかなと、そうであれば結成20周年リマスター版の帯に記載されていた

「これねぇ、もう一言で言わせてもらいますけども・・・・・青春なんですよね。すみません、青春です」

という言葉も納得ができる。

ナンバーガール

こうしてナンバーガールの前身バンドとかをやりつつ「チェルシーQ」というイベントを福岡で行い始めた向井秀徳は、中尾憲太郎田渕ひさ子アヒトイナザワを呼んで、「チェルシーQ」に出演します。

そして、「School Girl Bye Bye」を発売し、初の全国流通として東京の方でも発売され、レコード会社の目に止まります。

しかし、音源を出すというよりは九州では抑えられなくなってきていたナンバーガールとしての衝動を東京で表現するために最初はライブのブッキングのお話が主だったそうです。

そして東京でのライブ、サウスバイサウスウエストへの出演、デイヴフリードマン監修の2ndメジャーシングル「Destruction Baby」と怒涛のナンバーガール初期を過ごしていきます。

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山のようなライブをこなす一方メンバーの疲労向井秀徳疲労も重なり、3rdアルバム「NUM-HEAVYMETARIC」をリリースしたのちにベース、中尾憲太郎が脱退を表明し、解散へ。

中尾憲太郎が脱退を言い出した後、向井秀徳田渕ひさ子アヒトイナザワ、三栖一明による会議が開かれたと、初回では「中尾憲太郎がいなくなってもナンバーガールをやりたいと思ってる奴は?」との向井秀徳からの問いに対して、田渕ひさ子アヒトイナザワもやると言ったが、結局3回目ぐらいの会議で向井秀徳が「中尾憲太郎がいなければナンバーガールではない、解散する」と決定付けてしまったようで、確かに中尾憲太郎のベースが無ければ成立はしないよなーと納得も。

NUM-HEAVYMETARIC製作時には三味線を自宅アパートで弾いていたら、隣人からうるさすぎて弁護士を通して内容証明が送られてくるといったエピソードもあり、これが現在のMATSURI STUDIO創設のきっかけになったという。

 

ZAZEN BOYS

 

ZAZEN BOYS期に突入していく訳ですが、ここからあの有名なセリフ「This is 向井秀徳」という言葉を向井秀徳は使うようになっていきます。

このセリフの原点がとても意外なところからのインスピレーションだったため、参照します。

ただ、この4人で何をするのかっていうことを一度歌で歌おうと思って。本当に言葉に出して言わないと始まらんと思って。

まず人に向けてね「私はこういう者であります」っていう。

知ってる方もおらっしゃりますけども、今一度言わしてもらう。「This is 向井秀徳であります。」と

中略

Nasっていうニューヨークのラッパーがいて「One Mic」っていう曲あるんだけど、ずーっと1人で、ずーっと何かを言ってるわけ。言ってる内容をよく聞いてみると、「俺はいかにしてこのラップをやってるか」みたいなことなんだけど、それがすごいんです。これだけ言わないとダメなんだって私も思った。

中略

ミッシーエリオットっていう女性ラッパーがいるんだけど、この人は毎回毎回念を押すように「This is Missy Elliott!」って叫ぶ。「ミッシーエリオットを私自身から発信するぞ、バカヤロー!!」みたいな感じで、念を押しすぎだけども、それがかっこいいなと思って。

それで私も「This is 向井秀徳」って何度も何度も言おうと思って。

知ってる人もいるかもしれないけれども、常に言い続ける。繰り返し言い続ける。

中盤は自問自答という曲に関しての引用なんだけれど、こういったヒップホップ要素からのインスピレーションを向井秀徳は受けており、これは周知の通りだと思うんですが、改めて本人の口から聞くとバックボーンにヒップホップあるんすねと感慨深くなったりもする。ミッシーエリオットがモデルなんて誰も気付かないけど、あれだけ「This is 向井秀徳」を言い続けるその信念こういったことができる人の音楽だからこそ響くのだろう。

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ZAZEN BOYSの面々には自分の手となり足となり、プレイヤーとしての腕を買って加入してもらっているという自負を持ってもらいたかったらしく、現金でギャラをいきなり渡すという行為に出ます。

ここでは好きであったバンド、ストレイテナーの現ベース、日向秀和のお話がチラッと載っていたので参照します。

ヒナッチは忙しすぎてね。他のバンドとも掛け持ちをやっていたし、まぁ忙しい。

プレイヤーとしての才能もすごいし、超カッコいいですよ。バンドマンとして和を乱すこともないんだけど、ノリが違ったんですね。うまく言えないけど、やっぱりノリが違うとしか言いようがない。

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当時は何バンドも掛け持っていたヒナッチと向井秀徳のすれ違い。というかノリの違い。

ここで思ったのは当初ZAZEN BOYS向井秀徳の手足となる人を探していた、技術に金を払うんだよという精神だった、しかし、ここが向井秀徳の良いところなのかもしれないけれど、やっぱりバンドである以上バンドのメンバーを技術だけとは思えなかったのかもしれない。

技術だけの提供であれば、ライブだけ来てすらっとやって帰るってこともできるわけで、でもそれではグルーヴは生まれないと向井秀徳はどっかで悟ったんだろうな。

やっぱり向井秀徳ってバンドが好きなんだろうな。

 

こういったエピソードがガンガン入っている「三栖一明」向井秀徳ファンであれば確実に手に入れておきたい本だと思ってます。

 

ナンバーガール再結成のこのタイミング、リアルタイムでは聞いていなかった人たちもこれを読めば当時の熱量、向井秀徳の苦悩が分かるのではないでしょうか。

そしてより再結成したナンバーガールを楽しめると思います。

 

 

三栖一明 (単行本)

三栖一明 (単行本)

 

 

 

親愛なる月曜日に


AM7:00
これは毎日の起床時間だ。
同じようなニュース番組を見ながら、いつもと同じ服を着て、いつもと同じ電車に揺られながら、いつもと同じ場所で同じ仕事をする。
仕事といえば聞こえは良いが、ゲップがうるさいじじいと、独り言の多いじじい、新卒でこの地獄に来た小うるさい若人と、やけにこえがでかいデブ、キーボードをかたかたたたかなければ生きていけない奴らに囲まれて、同じ業務を毎日のように行う。これは一種の狂いなのかもしれない。狂気なのかもしれない。
世の中には自分で考えて、違いを生み出すことができる人たちがいるらしい。しかし、ここではそんなことを考えるやつは皆無だ。すこし、人と変わった観点から業務をしているやつはいるが、彼らにしても五十歩百歩自分は仕事ができると吹聴しているところを見たが、その他大勢とやっていることはなんら変わらない、ただ声が大きいだけの奴ら。

皆が皆を見ながら何も起こらないことをよしとして過ごしている。何か皆と変わったことをしようものなら、すぐに「前例はあるのか」「やったことがない」などの言い訳をし、封殺にかかる。もはやこの地獄に言論の自由はない。
このような業務を行ってくるとやはり、蝕まれるのは神経である。
何も考えない、逃避を行うようになるのだ。
日々の業務をただやり過ごすだけ、毎日同じ時間に来て同じ時間に帰り、特に目的も持たずに無為に日々を過ごす。
今後AIが進歩したらすべて取られてしまうような業務。
なんのために、誰のために生きているのか。
それすら見失ってしまう地獄。地獄、地獄。
文句を言っても仕方がない、自分を順応させることによって、すべてを受け入れよう。変化を望まない、まさに成長を止めてしまった世界に対して。

こんな世界が続くのならば人間が生存している意味はなんなのだろうか。

人間は辞表を提示するべきではないのか、どこに対してなにに対して。

そんなことは分からない、親愛なる月曜日に。


Powder - New Tribe

the fur./we can dance

Disc Unionで配布されている「New Acts From Asia」っていう東アジア、東南アジアのインディーバンドの楽曲を11曲収録したコンピが対象製品を購入するともれなくもらえます。

 

一昨日のエントリーで紹介した Thud/adoも対象です。

 

football-music.hatenablog.com

 アジアのインディーをディグしたいといったもののどっから聞けば良いのか分からなかったので、とりあえずもらったコンピからにしましょということでコンピに入っているバンドたちを紹介できたらなと思います。

 

The Fur./We can dance


We Can Dance -The Fur. (official video)

シューゲイザーとドリームポップの折衷案的な楽曲、こういう楽曲非常に好きです。イントロのドラムが80年代感あって親近感湧きません!?

The furという台湾の4人組のバンドです。

「town」というアルバムを2018年に出していてそっからのコンピレーション採用です。

「town」すごい良いアルバムなんですが、どっちかっていうと今の欧米の女性インディーたちを彷彿とさせる曲たちが多いです。

っていうか女性インディーなんて枠組み今となってはしょーもないんだけど、男だろうが女だろうがどっちでもいい音楽はいい音楽で、誰でもいいんだけどね。

「town」ではシューゲイザーとかドリームポップを彷彿とさせる楽曲は少なくて、土曜の昼下がりに聞くとかなりいい良い、彼女とか出来そうな曲がめちゃくちゃ多いです。

ただ、messiという曲がある、これは確実にバルセロナのメッシに向けた曲なんじゃないか、そんな気がして仕方ないのです。

全曲通してスケールの大きな曲であることは間違いない。

「avocado man」から「Blueberry」への雷を通しての転換がすごい良い。

あと「Blueberry」はインストなんだけれども、アルバムの締めとして、とっ散らかったものを元に戻すみたいな要素としてループものだし、蕎麦湯な感じでとてもチルい。

シューゲイズがずっと好きで、Slowdive、Ride、My Bloody Valentine や Jesus and Mary Chain などがすごく好き。インディロックやポップでは、Mac Demarco や Unknown Mortal Orchestra など、全員は書ききれない。これはディープな問いだね。自分の音を見つけることは演奏するコードを聴いてそれを感じることで、乗せたい韻を見つけることかな

台湾ドリームポップ・バンド The Fur. インタビュー | indienative

Vo/GuのSavannaのインタビューからの引用なんだけれども、シューゲイズにかなり影響を受けているようなので、次の作品とかもっとシューゲイズよりの作品になってくれるとすごいうれしい。

 

 

Thud/ado

Thud/ado

香港のシューゲイズ/ドリームポップバンド、Thudが7インチをリリースした。

The Cribsだったり、Beach Fossilsだったりと有名どころのオープニングアクトを務めて来た彼らの作品なのでクオリティはかなり高いです。

というかあのYuckも興奮してMVが出た時はツイートをしてました。世界的にかなり顔が売れているバンド。

youtu.be

最高じゃないですか、歌声入る前がとてつもなくカッコ良い。

ヒップホップに傾倒していた自分がなぜ、この7inchを買ったかというと、

ディスクユニオン限定でアジアのインディーバンドのサンプラーが付いてくるんですね。

っで、88risingしかり、今ってアジアの音楽に光が当たってるじゃないですか、でもそれを体系的にまとめたものって少ないなって思ってて、さらにロックバンドだと、それこそ自分でdigらないといけなかったりしてると思っててなんで、そのサンプラーを基につながりとかを自分なりに咀嚼して紹介できたらなーと思った次第です。

どこまで網羅できるか分からないけれどとりあえず、頑張ります。

あと、シンガポールとかタイとかのインディーはとにかく、シューゲイズ・ドリームポップな感じが多くて好きなタイプなので掘るのも抵抗ないかなと。

あと、台湾とかなら現場にすぐ行けるし、なので色々節制して情報取ってご紹介できればと思います。

以上。

 

早速、Amazonの商品紹介で今回のThudの作品が見つからないという現象に遭遇。

うーん、大変だ。

 

2018年ベストディスクたち

2018ベストディスク
順不同

2018年が過ぎ、2019年がはじまった。
テン年代最後の年。
テン年代終盤が激動の年であったことを現代を少なからず思案し生きている方ならば感じただろう。
全ての事象が単一のものでなくなっている、複雑に絡み合った魑魅魍魎の世界。
目を海外に向けてそういったことを論じるのはとても簡単だ。例えばmetooであったり、black lives matter、もしくはUKのEU離脱
これらの事象が様々な要因が絡んでいることは容易に推測できる。
それでは我々の生活はどうだろう、自分の趣味、仕事、考え方しては。
日本人の社会は海外とは違う、終身雇用、義務教育...etc。
しかし、これからの時代自分のことを自分で判断し、考え、行動していなかければならない時代が確実にやってくるであろう。
音楽に関してもそう、全国民が熱中するアーティストは数えるほどになり、それぞれが自分の好きな音楽を見つけ、聞く。
ただ待ってほしい。現代に単一の事象などというものはもはや存在しないのだから、音楽だって様々なものが絡まりあってできているのではないのか。あの曲を聴くのだったら、この曲も聞いたほうが良い、なんならあの社会的事象に関して理解をしてから聞いたほうが良い。世界ではすでにそういった聞き方を推奨している、というよりもそういった聞き方をせざる負えない人たちが多い。
それは自分たちの社会に音楽が寄り添っているし、また、そういった曲でないともう聞かれることも少なくなってきているからだ。
音楽、いやすべての事象において世の中に存在しているものが単一では存在できない世界。面倒くさいと思うかもしれないが、そういった世の中を楽しんで生きていったほうが良いのではないかと思う。数珠つながりの世界を全てを把握するのは無理でも自分の言説、考えそういったことを自分の中の羅針盤として生きていくのはとても楽しいのではないか。
そんなことを考えた年末、少々風呂敷を広げすぎた感はあるが、もしよければ下記10枚をチェックしてみてほしい。

 

Kaille Morgue「MEDUSA」
緑髪が特徴的なミューズ。
日本ではまだそこまで知名度が高くないけれど、女性SSWブームに乗って絶対に来ると信じ続けていた2018年。
結局日本ではそこまで話題になることもなく、むしろビリーエリッシュとかそっちに話題が傾倒してしまった感が否めない。
フルアルバムはまだだし、EPしか出してないし、気まぐれで音楽を辞めてしまうかもしれないけれど、「Discovery」のスケールの大きさはとてもこの年代の子が書いたものとは思えないほどで絶対に聞いておいたほうが良い。

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Rejjie Snow「Dear Annie」
ダブリン出身のラッパー。このアルバムを2月に聞いた瞬間から今年はアイリッシュのラッパーの時代が来ると信じていたけど来なかった2018年。夏ぐらいからUK出身のR&Bシンガーたちが北米のメインストリームへと取り込まれていったのでそこらへんで、この予言もいいところを突いていたと信じたい。
3,4曲の間に次の自分の曲をラジオDJのように説明するスキットが収録されているのがとても印象的。
こういった手法を取ってるアーティストってなかなかいない気がするんだけど。
今年の来日が決まったCrailoちゃんのアルバムにもFeatで参加していたりしてる。
ベストトラックはもちろん「Egyptain Lurv」ちなみに曲中に出てくる1971年という年号には何の意味も無いそうです。

youtu.be

 

Jorja Smith「Lost & Found」

ドレイクによって発見されたイギリス・ウォルソール出身の21歳の歌姫。

とても良いです。

「Blue Lights」が一番有名な曲かと思われますが、自分のオススメは「Teenage Fantasy」サマソニでも拝見しましたが、声が一つの楽器のような力強さを持っており、エラ・メイ同様にアメリカ中心だったR&Bの世界をイギリス側に引き寄せる力を持っているひとり。

日本ではあまりフューチャーされることの少ないドレイクですが、こういった在野のアーティストを見つける力は絶大で最近だとスケプタなんかもドレイクが見つけたひとり。

話が逸れましたが、ドレイクには今年も素晴らしい才能を発掘してほしい。

youtu.be

 

 

5lack「KESHIKI」

板橋出身のラッパー。兄のpunpee、友達のgapparとともに組んでいるPSGは日本ヒップホップ界に新風を巻き起こした。

5lackの3年ぶりのフルアルバム。待望のアルバム。

マジで待ってたよ、最高。どのメディアも取り上げないけど最高。

色々な人に言ってるけど、今回のアルバムはクラシックと呼ばれる作品になると確信している。

5lackって孤高の存在っていう印象がとても強くて、それをさらに補強するアルバムというか

Twilight Dive

「弱い奴は固まり、強い奴は孤立して、弱い奴が噂して、君のこと僻んでる」

みたいなこういったリリックが結構多い。あと、時間に関しての言及も多い。

九州に移動して数年、多分東京のしがらみだったりなんだったりが嫌になったんだろうけど、「my space」の頃から比べると大人になったなって、「進針」でも「hot cake」のリリックを若干セルフサンプリングしていたり、2019年もすでにAKANEとのコラボ曲を出しているし、2019年、5lackは結構動きを見せるんじゃないかな。

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GEZAN「Silence Will Speak」

GEZAN、マヒトゥー・ザ・ピーポー率いる4人組のバンドの4枚目のフルアルバム。

正直、GEZANというとキワモノなイメージが強く、今回もそこまではまらないだろうなと思いながら聞いた。素晴らしかった。一瞬にして虜。タイトルが示す通り、このアルバムは普段何かを発信したとしても聞こえないような小さいものたちの声を体現したもの。自分自身の境遇ともあいまってとても共感してしまった。

日常に不満を持っている者、何かモヤっとしたものを抱えている者は絶対に聞いた方が良い。

というか今の日本でこれが売れずに何が売れるんだと言い切れる、かなり良いアルバム。

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Sophie「Oil of every pearl's un-insides」

PC musicの中核メンバーsophieの1stフルアルバム

音はインダストリアルでノイズな一聴するととっつきにくい感じもするが、何回か聞いてるうちに病みつきになってしまうから不思議。

オススメは「faceshopping」だろうか。

「My face is the front of shop

   My face is the real shop front

   My shop is the face I front

   I'm real when I shop my face」

といった叙述トリック的なSFちっくな近未来の消費主義社会を風刺しているような歌詞が、ノイズな音像とともに語られる。2045年からの贈り物といわれても疑わないぐらい、近未来。

 

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NAS「NASIR」

NASの6年ぶりのフルアルバム。

さらにカニエ・ウエストのプロデュース群の一端として作られた今作。

カニエプロデュースの割にはNASの想いがプンプンに匂う。

 「cops shot the kids」この楽曲はNASらしい現代にもまだはびこる黒人への差別を多角的に、表現した素晴らしい曲である。

バックで流れている「The cops shot the kids」というワンフレーズは、スリックリックの「Children's Story」からのワンフレーズループであるし、冒頭部分はリチャードプライヤーの作品からのサンプリングである、どちらの作品も70年代、80年代の作品であり、当時から現代に至るまで、黒人に対する差別的な仕打ちがまだ続いていることを示唆している。

2017年にスーパーなリリースがヒップホップ界に多かったため、2018年は少しトーンダウンした感もあるが、こういったレジェントたちが新たに作品を仕上げ、それがセルアウトではなく、しっかりと骨太に主張したいことをあの手この手を使って表現してくれることに喜びを感じたい。

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AcidClank「Addiction」

大阪を拠点に活動する4人組バンドの1stアルバム。

とうとう日本のバンドもここまで来たかという印象。

おそらく現状のメインストリームではないということは承知で、ここまで数々のバンドの影響を垣間見えるバンドってあったかなと。

こっちはマイブラ、こっちはオアシスのように楽曲によって、中には同一楽曲の中に、バンドメンバーたちの聞いて来た音楽が色濃く反映されている。

UKロックに影響を大きく受けたらしいが、確実にブリットポップよりは、ライドとかジーザスアンドメリーチェインといったシューゲイザーだろうなという感じの楽曲はとても好み。このまま続けていって欲しい。と思ってインタビューを漁ったら、オアシスからマッドチェスターへそっからエイフェックスツインとかに流れていったようで、なるほど、そっちの影響ね、そんな感じねって感じ。

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cero「Poly life multi soul」

西東京を拠点に活動する3人組、ライブやアルバムによってサポート編成は変化するバンドの4枚目のアルバム。

前回の「Obscure Ride」が頂点かと思っていた、違っていた、恐ろしいほどの変化があった、しかも良い方向に。

先行で公開されていた「魚の骨、鳥の羽根」を聞いた時、背筋が凍った。

もうロック一辺倒ではないぞ、ある程度の音楽を聴いているぞ、R&Bだって掘ってるし、フリーソウルなんかも聴いてる、ceroってそっち系でしょ、もうどんなもん来たって怖くない、なんて思っていた自分がいかに愚かだったか、それと同時に音楽ってこんなに幅あるの!?、もう嫌だ、ディグれないどんな音楽を聴いてきたらこんな曲作れんのっていうぐらいに得体の知れないものだった。

そこからのアルバム、正直理解が追いつかないものも多いし、かなり怖い存在。

ラストトラックの「Poly life multi soul」だけが唯一分かりやすいと思っているのだけど、煙に巻かれているような感覚になるアルバム。

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仙人掌「Boy meets World」

Down Noth Canp、Monjuといったヒップホップクルーに所属しているラッパーの2枚目のフルアルバム。

こちらのアルバムもここまでハマるとは思わなかった。

全ての楽曲が良いのはもちろんなのだけど、4曲目の「Darlin feat JJJ」だったり、ラストトラックの「World full of sadness」この2曲がかなり良い。

仙人掌ってかなり政治的なラッパーだと認識しているんだけど、世間の認識ってズレてんのかな。

「雄弁に語るコメンテーター、一つ言えねーのはごめんって言葉」とかあと下記のど真ん中ラジオでの楽曲とかね。

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めっきり減った気がする政治的なラッパー。アンダーグラウンドでは活動している人たちもいるのかもしれないけれどそこまで、掘れてない、ごめんなさい。

ただ、近年のラッパーは自分たちの半径5mをリリックにしている人たちが多い印象で、正直君繋ファイブエムって感じなんだけど、やっぱヒップホップって世の中に色々なことを伝えられる武器だと思っている節が自分の中では強くて、自分たちがどうこういうのもあれだけど、1人ぐらい、世の中を憂いて世の中をうたってほしいなと思う。

それが過去ではECDであったり、Boss the MCだったりしたんだけど、若い人たちの中では仙人掌がやっぱ筆頭かな。この路線で突っ走ってほしい。

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以上で10枚。

かなり支離滅裂ボロボロぐちゃぐちゃな内容で大変申し訳ないです、精進します。

しかし、2019年は「言語化」これをしていきたい年ですね。

更新頻度も上げたいです。

あと、禁煙と減酒と貯金、以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jolja Smith「

 

 

 

 

cero

仙人掌

この世のことについて。

底辺ってなんだろうか。

我々はいつも底辺を見てる、笑ってる。なんのために、自分の保身のため、自分を誰かより高く見せたいため。
そんなことを思いながら有楽町駅の吉野家豚丼を搔っ食らう。
連休前の日曜日の有楽町駅の吉野家は悲惨だ。
これまで見た中で、1番悲惨といっても過言ではないだろう。
下北沢の始発間近の松屋よりはるかに悲惨だ。
有楽町というそれなりにブルジョワジーが集まる街でも最後に行き着くのは吉野家だ。
客たちは終電と戦いながらご飯を食べている。
だから怒号が飛び交う、早くしろ、いつになったら出てくるんだ。そんな声が聞こえる。だったらそれなりの飯屋で自分の腹を満たせば良い。
明らかに田舎から出てきたひょろひょろの奴らを前に、吉野家で働くには余りにも持て余しているカラダのアラブ人が言う「すみません」とキレろ僕はそう思いながら豚丼を食べる。
なんなんだこの国は、店員に最低限の尊厳も持てないのかと、なんなんだろう、自分が今求職中なのもある、なぜ、彼らはここまで罵詈雑言を吐かれながら働いているのか、あなたのその牛丼味噌汁は彼らの働きが無くては出てこない。いや、給仕されなければ酔っ払って少し膨張した胃袋すらも満たされない。
なんなんだろう、と思いながら帰路につく、終電ギリギリの横須賀線に乗る。
イヤホンから聞こえてくるのはGEZANのDNA、「今君の目が見ているのは、人が少しずつ壊れてるところ、壊れてるだけチリゴミクズになった後に、音楽がはじまるところ」初めて聞いた時なにを言ってるんだと思ったが、これが人が壊れているところなんだろう。
「creative for distopia」こんな歌ではじまるGEZANの新譜を何の気なしに聞いていたが、ラストトラック、Ambient redで歌われる「剥がれてく、剥がれてく、全ての嘘と悲しみが終わったらほんとになる」全てが嘘だらけの世界でなにをどう生きていけばいいのか、答えは提示されない。全てが終わった後になにがあるのか世界が終わったらなにがあるのか。叫び声とともに歌われるこのアルバムに救われた気がする。本当に。
最寄駅に降り立ち目の前の若者グループを見て、なぜか涙が溢れた。

早朝と夜中の間

まだ起きている、好きで起きている訳ではない。

任されたタスクが積み重なり、終電で帰ってきたのにもかかわらず、未だにパソコンを開き、資料を作っている。

資料作りといえば聞こえは良いもののペーペーの自分にとっては社内資料1つ作るのでもひと苦労。良しとけば良いのに高みを目指そうとするから、終わらない。

赤もらってそれ通りに修正すれば楽だけど、そうではない、初提示の時に何か相手に驚きを与えたい。それはなんでも良い、調べた情報の量でも良い、画像のちょっとのズレがもたらす、スペクタクル感動でも良い。とにかく相手になにか衝撃を与えたいのだ。

これは飲み会でもそうなのだが、何か爪痕を残したいとすぐに思ってしまう。

これはこれで悪い癖で、何も無い飲み会というのがとても居心地の悪いものになってしまう。

何か爪痕を、何か一目置かれるものを。

そう考えて今の職場で仕事をしていたものの、まぁ、相手はこの道数十年のベテランたちなのである。

よほどのことじゃ驚きはしない、しかも、この業界はタチが悪く、自分のことが一番だと思っている人たちの集まりである。

正直、みんなあらぬ方向を向いて進行していることが多々あり、そのしわ寄せが一番下っ端の私に回ってくるというのがなんとも...

ただ、若いうちの苦労は買ってでもなんとやらの通り、この時間までこうやってぽちぽちと何かを作っているという行為が好きな私にとってはあながち、居心地の悪い職場でも無い。

とにかく、自分はまだ何も成し遂げれないということを受け入れ、あがいていこうと決心した早朝と夜中の間だった。しかし、あがいたところで何になるのか、自分はこの道で食っていけるのか、いつも考えてしまう、会社という存在がなくなったら自分はどうやってご飯を食べていくのだろうか。今この状況で海外に連れて行かれたら、老後は、今後は、未来は、どうなっているのだろうか、未来だから誰にも分からないんだけど、

最近未来の重圧にやられそうになる。未来を見るな今を見るなとかドンシンクフィールとか色々なことを言う人がいるけど、それはその人の未来が見えているだけで、振り返った時にあの時未来を見ていなかった今だけを見つめていたと美化された記憶なのだろう。

記憶なんて曖昧模糊なものに囚われている人間を超越したい。

XとY軸だけで構成されている世界ならばZ軸になりたい。

どれも無理な話なんだろう。

昨日見たGet outがとても良かった。

黒人と白人、ぼくらは触れることがない文化だけど(滅多に)ただ海の向こうでは、問題が顕在化していて、それをぼくらは文章とか映像でしか知ることができないのだけれど、この映像に関してはとても良くできていて、これは誰しもが見る映像だと思う。

ワカンダ王国に思いを寄せるのも良いけれど、誰かがワカンダに行ったことがない人は今後人間として認められないとか言ったとか言わないとか。

ほら暴れん坊将軍が暴れ出した。この時間の暴れん坊将軍は誰が見るのだろう。

そういえば会社でテレビの枠を売れ売れ言われていたような、いないような。

そういえばラジオから心地よいchill mixが流れている。

そういえば明日は29℃まで上がるような。

そういえば13の理由シーズン2が開始とか。

夜と早朝の間で。

また4時間後に満員電車に乗っているのだろう。

youtu.be

youtu.be

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