football mania

音楽レビュー等

デトックス効果のあるアルバムを聞いたことはあるか〜EVISBEATS ひとつになるとき〜

おだやかな曲をやけに聞きたくなる。

なんだろうか、これは大人になったってことなのかな、あんなに聞く気にならなかったOasisの3rdが何故か無性に聞きたくなる、あんなに1stと2ndだけでいいやって思ってたのに…

なぜなんだろう、あの時のギャラガー兄弟もこんな感じだったのかな、いや元々彼らは好きだっただろうそういう曲を。

最近、電車内とか会社に向かう途中に人混みにイライラしてしまう時がある、転職する前の職場、そう秋葉原ではそんなことなかったのにな。首都東京の人混みはやはり味が違うのだろうか...そんな時ふとこのアルバムの曲がイヤホンから流れてくるとなんとも特別な気持ちになる、どの人にも急いでいる理由があって、イライラしている理由があってそこをどうにかこうにか折り合いつけて生きてる、今日はおれが我慢する番でもいいのかなと...

 

Evisbeats「ひとつになるとき」これほど心穏やかになるアルバムもないだろう。

Evisbeatsという人を知らない人のためにここで紹介を。

元々はAKIRAという名前で近年のヒップホップ界に明るい人ならば知らない人はいないであろうクルー、韻踏合組合で活動していた。

その後MC名をAMIDA、トラックを作るときはEvisbeatsとして活動している。

そしてEvisbeatsとして1st「AMIDA」を出した4年後2ndとして「ひとつになるとき」をリリースするのである。

ひとつになるときというタイトルに関してEvisbeatsはインタビューにてこう語っている。

 

 ■「ひとつになるとき」というアルバム・タイトルは先ほどおっしゃったような暮らしの中から出てきたものと想像しますが、そこにある思いは?
「『ひとつになるとき』というタイトルはふと思いついたんですが、エゴから解放されて、本来の自分になる、宇宙とひとつになるといった統合の意味合いがあります。ヨーガでは、梵我一如といったり、密教では、即身成仏みたいに言ったりするようです。まぁタイトルについては、あまり深く考えてるわけでもないです」

 参照:

EVISBEATS|INTERVIEW[インタビュー]|Amebreak[アメブレイク]

 

MC名、1stのタイトルから分かる通り仏教よりのものが好きみたい。

音を作ってる人のバックボーンに何が描かれていようが、音が良ければ良いのである。

とにかく1曲目からいい雰囲気の曲が続く。

BPM90もないぐらいの曲が続いていく、これが素晴らしい、サンプリングの元ネタとか分かる知識持ってないけど、元ネタ集とか出して欲しいぐらいにすべてが良い。

とても耳触りの良いトラックが続いていくけども、そのアプローチが実に多様であって、こうやってもいい音だよ、こうやってもだよ、こうやってもだよと何個も選択肢を提示されているような、友達にこれも好きでしょ、それ好きだったらこれもでしょ、みたいに言われてるようなアルバム。

ちょくちょくトラックを作ってる身からするとなんでそんなビート組めるんだろうみたいなのが多すぎて唖然。

そして仏教的なと言いつつも現代社会に生きる我々にも共感できるようなリリックが飛び出してくるわけです。

"大事なプレゼンに朝寝坊、上司は怒って暴れそう、もうでたらめな仮病であとは任せよう"とかね。

全てを包括したようなアルバムといっても過言では無いかもしれない。

その中からいくつかの楽曲をご紹介。

 

youtu.be

うーん、イントロのビートから最高でしょ。

ずっとループしていたいもの、ずっと聞いていたい、ずっと揺れていたい。

そして誰かといい時間を過ごしたい。

"何も浮かばなかったからって、何もしてないわけでもなくて、何も言うことがないくらいぐらいになんでもない時間が素敵で"

時間に追われている現代人がなくした何かがこの曲には宿ってるよ。

先行で7inchが出ていたらしいと最近耳にして、絶対7inchで聞いたらもっといい時間が流れるだろうなと...手にはいらないかな。

 


EVISBEATS【MV】ゆれる feat. 田我流

いい時間のあとにこれ。

イントロからして最高すぎる、田我流の声も素晴らしいね、こんな綺麗な音色だったら邪魔になるのに全く邪魔してないあたりが素晴らしい。

インストで聞いても素晴らしいんだ。

でもリリックも素晴らしいんだ、もうなんか全てのパートが良すぎて染みすぎてなんか全然まとまらない、これ聞いて響かない人いないと思うんだよな、御託はいらないからとにかく聞いて欲しい。

 


EVISBEATS【PV】気楽な話

アルバムに入っているのはRemix版

これもトラックをずーっと聞いていたい、心が穏やかに誰にも優しくできるような楽曲、まさにデトックス

ほんとにデトックス、体の中から余分な物が抜けていくような気がする、本当。

 

素晴らしい楽曲の数々、Evisbeatsというトラックメイカー、リリシストとしての凄さをとことん体験できるアルバム。

上記参照のインタビューでインタビュアーがシンプルな内容だけに、ホントは一筋縄ではいかないようなことを言いたいのかなと思ったんですが、とか聞いてたけども、わたしは音通りに捉えるほうが健全だと思うね。

半身浴しなきゃ、ホットヨガしなきゃとか言ってるOLにはこっちのほうが断然デトックス効果あるよと教えてやりたい、そんなアルバム。

もっと色々な人に聞いて欲しい。

ひとつになるとき

ひとつになるとき